黒川紀章建築事務所が民事再生手続き

 黒川紀章建築都市設計事務所(東京都港区赤坂)が15日、東京地方裁判所に民事再生手続きを申し立てました。同事務所によると、負債総額は12億円。
 事務所は、「建築不況で受注案件が減り、財務状況が苦しくなった。設計料の回収ができない海外案件も発生し、資金繰りに行き詰まった。ご迷惑をおかけし申し訳ありません」とのコメントを発表しています。

 同事務所を設立した黒川紀章氏(故人)は、世界的な建築家として知られていました。京都大学工学部建築学科卒業後、東京大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程へ進学。東大在学中に「株式会社黒川紀章建築都市設計事務所」を設立。中銀カプセルタワービル、福岡銀行本店、国立民族学博物館、日本赤十字社本社、福岡県庁舎、埼玉県立近代美術館、国立文楽劇場、名古屋市美術館、広島市現代美術館。さらにフランスのパシフィック・タワー、シンガポールのリパブリックプラザ、マレーシアのクアラルンプール国際空港、オランダのゴッホ美術館新館等を手がけ、1986年には建築界のノーベル賞と言われるフランス建築アカデミーのゴールドメダルを受賞しています。

 また、共生新党を結党して2007年には東京都知事選と第21回参議院議員通常選挙に出馬しましたが、いずれも落選しています。

 現在事務所は黒川紀章氏の長男である未来男氏が代表取締役を務めており、事業再生に向けて、建設大手の日本工営が支援する方針とのことです。